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富士市南部の元吉原地区で、住民有志が県内では珍しいバナナの完全露地栽培に取り組んでいる。住宅の庭や公園、小学校、幼稚園などで育てられているバナナの“木”は約80本。中心メンバーで同地区の鈴木孝正さん(79)と鈴木允さん(70)は「バナナ栽培を通じて過疎化が進む地元を盛り上げたい」と熱く語る。
2人はこのほど、3月に園庭に植えたバナナの成長を確認するため、同地区の認定こども園「鈴川幼稚園」を訪れた。顔よりも大きな葉と、少しずつ育つ実に園児は興味津々。収穫は冬ごろで、園のクリスマス会で食べるのを楽しみにしているという。菊池和彦園長(70)は「地域との交流を生む、園の新しいシンボルになった」と目を細める。 バナナ栽培の挑戦は2022年5月、定年退職後の孝正さんが自身の畑に植えた1本の苗から始まった。温暖化を逆手にとった農業を始めようと試験的に育てたバナナは、青空の下たわわに実った。地域一帯で育てたら話題になると思い、知り合いに頼んで庭や畑の一角に1本ずつ苗を植える活動をスタート。23年4月からは允さんが活動に参加し、約2年で約80本にまで増えた。今では苗を分けてほしいと2人を訪ねてくる住民もいるという。 育てているのは、さっぱりした甘みと、ねっとり食感が特徴の「ブルージャバ」と「ドワーフナムワ」。どちらも寒さに強い品種だ。ただ、温暖化で冬の気温は上昇しているとはいえ露地栽培での越冬は簡単ではない。冬が近づくと幹に緩衝材を巻き、土にわらを敷くなどして春を迎えた。先日は風に弱いバナナを台風から守るため、マリンスポーツが趣味の允さんが風の向きや強さを予測し、支柱の位置を調整したという。「目標は千本。いつか地区の名産品になって経済も活性化したらうれしいよね」と笑い合う。